ツクルキャンプ「キッズコース」を振り返って
2回のプレキャンプを踏まえて、いよいよ本キャンプへ!
内容はキッズ(小学生)とティーンズ(中高生)に分けてやってみよう。
- 7日間で映画を作るというプログラムにしよう。
- 参加者一人ひとりそれぞれの監督作品を作ろう!
- 上映会を映画館でやろう!舞台挨拶も体験してもらおう!
- 映画祭に出品しよう!人に届けるまでをサポートしよう!
こんな映画制作ワークショップは世界中どこを探してもないだろう!!
金額はどうする?悩みに悩んで破格の38,500円!!安過ぎるけど、きっとみんなはこの金額設定が安過ぎる事を分からずに「高い!」と思うだろう。まずは知ってもらうことが大事だし、参加してもらう事が大事だから、38,500円でいってみよう!と。
覚悟を決める。やるしかない。
さぁ、まずは夏休み中にキッズコースからスタートだ!
宣伝動画を作り、SNSで告知をし、初回のツクルキャンプ参加者は4名の小学生。
1回目のプレキャンプに参加してくれた小学5年生の女の子と、2回目のプレキャンプに参加してくれた小学5年生男子2名と、小学4年生男子。(この3人は同じチームでホラー映画を撮った3名でした)
プログラムはこのような感じ!
1日目:企画を考える。
2日目:脚本を考える。
3日目:撮影をする。
4日目:編集をする。
5日目:編集を仕上げる。
6日目:映画のポスターを作る。
7日目:上映会。
Special:映画祭に出品。
現代の子供たちはとにかく忙しい。
夏休み中の期間でそれぞれの映画を作ろう!と思っていたのだが、みんなのスケジュールが全然合いません。7日間で映画を作りたいのに、夏休み期間中に7日もスケジュールが取れないのです!
(俺の小学生時代の夏休みなんて、永遠に続くんじゃないかというくらい何もしてなかったような。。。)
お盆期間をフル活用してみんなのスケジュールをなんとか合わせる。
2024.08.07
参加者4名のうち、午前中に2名の企画会議、夜に1名の企画会議がありました。
今回は4分以内の短編映画を作成する予定なので、(今回出品予定の映画祭が4分以内の映画限定だった)3分や5分や7分の短編映画を観てどのように感じるのかを実感します。
そこからは、彼らの日常の想いや、出来事や、不満や、気になることをあーだこーだと対話します。
この時間が楽しい!
普段、外に出したことない感情や言葉。普段から口に出している感情や言葉。これらの中にヒントが隠されていて、色んな感情や言葉がブワーッと出たあとに、自分の「譲れない考えや、こだわり」が見つかってそれを作品にしよう!とここからは、
「いーねいーね!」
爆笑
「それめっちゃいい!」
爆笑
「じゃあ、これは?」
爆笑
「こういうのはどう?
爆笑
あっという間に、企画がそれぞれ決まりました!
問題は、夜の子の時。
同じく、世界のショートフィルムを見てみて、同じ過程を踏んでみたのだが、同じ結果にはならない。これが、個人に寄り添うということですね。やりたいジャンルは最初から決まって、お!幸先いいぞ!と思ったのですが、肝心の中身が決まらない。
見解を広げれば広げるほど、
「うん、それもいいね」
「うん、それもやってみたいね」
となって、全然まとまらない。
面白いと思います。こちらもメンター1年生なので、彼の中の「やりたい」を上手く刺激してあげられず…一度持ち帰って、改めて考えよう!という結果に。
2024.08.08
未決定だった子の企画をウツワツクルスタッフの山崎とカッシーで再考。昨日、彼の口から出た言葉、一緒に観た短編動画の数々の中から彼が興味を持った動画。
「トイレ行ってくる〜」
「は〜い、行ってらっしゃい」
(廊下に出て、雰囲気を見て怖くなったのか..)
「トイレおさまった〜」
(帰って来た。)
「一緒に行くから大丈夫だよ〜」
と一緒にトイレに行ったり、キッズルームの電気が消えてると怖かったり、一生懸命に飛行機の話をしてくれたり、自分が持っている世界の中で案をいっぱい出してくれたり、
「キッズケータイのライトが使える!」
「キッズルームにあるおもちゃのダイヤルのカチカチの音で時計の音に出来る!」
「うちの犬を出演させたい!」
など、彼の中のいっぱいを出してくれたことをもう一度思い出し、(いっぱい出してくれたけど、ストーリーはまとまらなかったのです)事前に親御さんにとっておいたアンケートをもう一度読み直したり、持っている武器と、条件の中で、一生懸命に彼のことを考えて、アイデアを考えて、本人(親御さん)に確認してもらいます。
すると、返事が来ました。ラスト「○○○にしてもいいですか?」
素晴らしい!それで行きましょう!と3つの企画が決定しました。
2024.08.11
4人目。
来る前から、テーマは「感動」と決めていた彼女。
最近、親戚の方に不幸があり、「亡くなった人に会いたい」という想いが強くあったそう。どんな内容にするかを考える3時間。国内や海外の短編映画を観ながら勉強開始。色々なタイプの作品を観ながら、感想を聞いてみると、こういうこと?とか、今のはよく分からなかった、とか、素直な感想がすぐに返ってくる。解説をして伝えると、「あ〜なるほど、だからさっき○○○だったのかぁ」と納得してくれる。彼女は素直で聡明。知識もあるし、自分の想いもしっかりある。色々なことに挑戦してきた。そして結果も出してきた。結果を出してきた自信が彼女を輝かせている。しかし、素直だし、不安も抱えている。目標があると一生懸命に挑戦出来るが、ゼロから自分で生み出すことには不安が募る。だが、そんなのは当然だよ。大丈夫。みんなそうだよ。だからゆっくり考えてみよう。
描きたいものは決まっている。「亡くなった大切な人にもう一度会いたい」
オリジナルを生み出す。難しいけど、これが出来ちゃうんだな。3時間終わった時には、どっと疲れるけど、きちんと向き合って、考えて、諦めないで、考えると、ちゃんと生まれるんだよなぁ。不思議だけど、面白い。父と娘のストーリーが完成。
じゃあ、撮影に必要なものを考えよう。衣装や髪型や、父と娘が作る料理となるともう目がキラキラのテンションが上がる上がる。
パソコンの使い方も上手い。タイピングは山崎よりも早い。
学校でパソコンを使用しているそうで、検索は彼女にお任せ。監督は自分だから、衣装も髪型も自分が決めて良い。メンターである我々がアドバイスをすると「そうだね、いいね、いいね」とどんどん決まっていく。
監督の仕事は「決定」すること。とても難しいことだけど、そこに責任をのし掛けるのではなく、自分が決定したことが、形になっていく経験をしてほしい。責任なんか考えなくていい。
だけど、自分が決定したことが形になっていく体験は絶対に役に立つ。なるべく失敗させたくないけど、色々なトラブルやうまくいかない事にどう立ち向かうかもとても大事だから、失敗の経験も、その中に散りばめられているとイイなと思うけど全ては狙って出来る事じゃない。だけど、一生懸命取り組んでいると、必ず失敗や上手くいかない事はセットでやってくる。そして、自分の監督作品が出来上がった時に、彼ら、彼女はどんな体験を経るのだろう。
さぁ、4人の監督作品。次は脚本と撮影に進む!
つづく。